最近、物騒な事件が世間を騒がせています。
今年1月、狛江市で発生した「ルフィ」の遠隔指示によるお年寄りへの強盗殺人事件では、思いっきり窓を割って入るような手口も記事になっています。
住んでいる家の防犯性を高めたい、そう思っても、やはり気になるのはお金。
ここでは、住まいの防犯性を高めるためのリフォームや設備設置へのための補助金について調べてみました。
犯罪抑止の3要素とは
犯罪学者の立正大学 小宮信夫 教授によると、犯罪抑止の3要素というものがあります。
①領域性
物理的(客観的)・心理的(主観的)なバリア(領域性)で犯罪者の接近を防ぐ
⇒犯罪者の力が及ばない範囲をはっきりさせること
②監視性
勢力圏内に入り込まれても、目撃される可能性(監視性)が高いと簡単に犯罪を実行できない
⇒犯罪者の行動を見張り、犯行対象を見守ること
③抵抗性
犯行に及んでも抵抗性が高いと犯罪目的を達成できない
⇒犯罪者の行動を見張り、犯行対象を見守ること
に分類され、それぞれをハード面(物理面)とソフト面(心理面)で構成されています。
これら3要素で犯行を諦めさせることが重要なのだそうです。
防犯リフォーム
侵入窃盗の侵入口として最も多いのが窓です。
窓ガラスを破り、手を差し込んでクレセント錠を外して侵入します。
ドライバー1本あれば侵入してきます。
一方、侵入者は侵入に手間取り、5分かかると侵入者の約7割はあきらめるといいます。
このような観点から開発されたものには、例えば、「安全合わせ複層ガラス」(YKKAP株式会社)というものがあります。
これは、ガラスの間に強度と柔軟性に優れた樹脂中間膜を挟みこんだ、破壊されにくい防犯タイプの複層ガラスです。強風時の飛来物対策にも有効です。
防音、防犯、防災、断熱、防露、UVカットの性能を兼ね備えたスーパーガラスですね。
3要素のうちの抵抗性に当たります。
このガラスに交換すると、国土交通省による「こどもエコすまい支援事業」の中で
・子育て対応改修
・開口部の断熱改修
・防災性向上改修
の要件を満たすので、補助金が出ます。
子育て世帯または若者夫婦世帯が、自ら居住する住宅に行うリフォーム工事
に該当する場合、上限を45万円とする補助金が出ます。
実は、子育て世代に該当しない場合も、上限を30万円とする補助金が出ます。
防犯設備の設置
防犯設備としてすぐに思いつくのは、やはり防犯カメラでしょう。これは3要素のうちの「② 監視性」に該当します。
リフォームとはいかなくても、防犯カメラ設置に対して補助金が出る場合があります。
これは、国ではなく、各地方自治体が行うものです。
通常は、町内会単位でカメラを設置する場合に補助金が出るようです。
しかし、中には家庭用防犯カメラの設置にも補助が出る場合があるようです。
東京都中央区の場合、玄関や窓、センサー付ライトなどの防犯対策に要した5千円以上の経費に対し、1万円を限度として対象経費の1/2の金額を助成しています。
同様に、愛知県知多市では、家庭用防犯カメラ設置に関わる
・機器の購入費
・工事費
・「防犯カメラ作動中」などの表示板の設置に係る費用
に対し、対象経費の1/2以内とし、限度額がなんと5万円!
その他、迷惑電話防止機能付き電話の購入費を補助してくれるような自治体もあります。これもまた、「② 監視性」に該当します。
ご自分のおすまいのある自治体では、防犯対策へどのような補助があるのか調べてみるとよいでしょう。
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