築30年を超えた一戸建ての耐震性を調べるには?

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ここ最近、また大きな地震が増えてきました。
震度6弱の大きな地震は2020年以降、3回発生しています。

  • 2021年2月13日の福島県沖を震源とするM7.3の地震
  • 2022年3月16日の福島県沖を震源とするM7.4の地震
  • 2022年6月19日の石川県能登地方を震源とするM5.4の地震

気象庁の基準によると、震度6弱の地震では、

耐震性の低い木造建物は、瓦が落下したり、建物が傾いたりすることがある。
倒れるものもある。

とされています。

大きな地震で倒壊するかどうかは、ある年代がキーワードになっています。

耐震基準

そんな地震に対して、古い住宅がどの程度耐えられるのか、その判断材料の一つとして覚えてほしい年代が2つあります。

1981年2000年です。

1981年6月には、耐力壁の量を現行の水準まで引き上げました。

2000年6月には、新耐震の基準にさらに詳細な規定が追加され、現行の耐震基準になりました。

旧耐震基準:~1981年5月

新耐震基準:1981年6月~2000年5月

現行耐震基準:2000年6月~現在

という分け方になります。

旧耐震基準のままの住宅では、大地震が起きたときに家が倒壊する恐れが高いので、できるだけ速やかに、耐震補強をする必要があります。

新耐震基準についても、

①筋交いや面材によって補強した耐力壁をバランスよく配置する。

②柱・梁・筋交いなどの部材が外れないよう金物で接合する。

③柱が浮き上がらないように土台や基礎に緊結する。

旧耐震基準から新耐震基準では、①の耐力壁の量が決められただけでした。

新耐震基準から現行基準では、
①②③の全てについて詳しく決められました。

新耐震木造住宅検証法

2015年の熊本地震では、1981年5月以前の旧耐震基準により建てられた木造住宅に大きな被害があったと共に、新耐震基準導入後の1981年6月から2000年5月までに建てられた木造住宅にも一定の被害があったことが確認されました。
この原因として、柱とはり等の接合部の接合方法が不十分であったことが指摘されています。

そのため、新耐震基準に適合した建物の診断用に、所有者地震によって行える簡易診断のチェックリストとして、2017年に国土交通省から「新耐震木造住宅検証法」が公表されました。

対象となる住宅は、1981年年6月から2000年5月までに建てられた木造住宅。
このリーフレットでは、新耐震木造住宅検証法のうち、「所有者等による検証」、つまり、自分たちで検証することができるとともに、「専門家による効率的な検証」に必要な追加のチェックもできるようになっています。

なお、1981年5月以前に建築されたものについては、専門家による耐震診断を推奨しています。

ステップ1「所有者等による検証」
ステップ2「専門家による効率的な検証」

により判定します。
対象建物が適用範囲(築年代、構法及び階数)に該当しているかど
うかをチェックした上で、

チェック1 建物の平面及び立面の整形・不整形の確認
チェック2 脚接合部金物の仕様の確認
チェック3 壁の配置バランスの確認
チェック4 劣化状況の確認

を行い、それらの結果に基づいて判定を行います。
チェック1~3の全ての項目を満足し、チェック4で5点満点中4点以上の場合には一応倒壊しないと判定されます。
一方、チェック1~3で一つでも該当しない項目がある場合又はチェック4で3点以下の場合には「専門家による検証が必要」と判定されます

「所有者等による検証」で専門家による検証が必要と判定された場合には、所有者が、専門家による建物調査を行う耐震診断を依頼するか、所有者等による建物調査の結果等に基づいた「専門家による効率的な検証」を依頼するか選択することになる。

「専門家による効率的な検証」を依頼する場合には、追加の建物調査として、

チェック5 図面と建物の整合性確認

チェック6 建物の各部位写真撮影

を行い、当該検証を依頼する専門家に情報提供を行います。

なお、チェック5では、実際の建物の壁の配置等が、所有者が保有している図面(建築設計図書)と整合しているかどうかを確認することとしています。

所有者が図面を保有していない場合には、「専門家による効率的な検証」で評価することはできないため、専門家による耐震診断を推奨しています。

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